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割増賃金とは?3種類の覚え方・計算方法・除外手当まで解説

労務

労務管理をしている中でややこしい要素の一つは、割増賃金じゃないでしょうか。

多くの中小企業を訪問する中で、最近は残業代をしっかりと支給しようと考えている社長が増えていることを感じてました。

しかし、割増賃金のことに関しては、細かい数字までは把握しきれていないように感じることも多々ありました。

パターンは多くないので、覚えてしまえばなんてことないのですが、その覚えるまでが大変ですよね(笑)

学生時代はどのように覚えていましたか?やっぱり語呂合わせですよね。

今回は割増賃金を簡単に覚えられる語呂合わせをまとめました。社労士を目指していた知人から教わった内容になっていますので、ぜひこの方法で覚えてみてください。

割増賃金の3パターン+追加ルール

1.時間外労働割増賃金

労働基準法第37条第1項で、「法定労働時間(1日8時間、週40時間)を超えた労働には、通常の賃金の25%以上の率で計算した割増賃金を支払うこと」が定められています。

変形労働時間制を導入していても、「法定労働時間の上限を超えた部分」は必ず「時間外労働」となり割増賃金の支払いが必要です。

2.休日労働割増賃金

労働基準法第37条第1項で、「法定休日に労働させた場合は、通常の賃金の35%以上の率で計算した割増賃金を支払うこと」が定められています。

事前に振替休日」の日程を決めていた場合は、その休日出勤は法定休日労働にはならず、割増賃金の必要はありません。

3.深夜労働割増賃金

労働基準法第37条第4項で、「午後10時から午前5時までの間に労働させた場合は、通常の賃金の25%以上の率で計算した割増賃金を支払うこと」と定められています。

+α.月60時間を超える残業の割増賃金

労働基準法第37条第1項・第4項で「月60時間を超える時間外労働は、割増率が50%以上に引き上げられる」と定められています。

割増賃金の計算方法

割増賃金の重要なポイントとして、二つ条件が重なった場合は割合が合計されます。

状況割増率
1日8時間、週40時間を超える場合25%割増
残業時間が月60時間を超える場合50%割増
労働時間が22時から5時の場合25%割増
法定休日(週1日)に行われる労働の場合35%割増
時間外労働と深夜労働が重なる場合50%割増
法定休日労働と深夜労働が重なる場合60%割増
残業時間が月60時間を超えた状況で、深夜労働を行う場合70%割増

時給1,000円のAさんが7月は80時間の残業をしました。
60時間のうち10時間分の深夜労働がありました

①通常の時間外労働分(25%割増)
1,000円×(80時間ー10時間ー20時間)×1.25=62,500円

②時間外労働(60h未満)+深夜残業(25%+25%で50%割増)
1,000円×10時間×1.5=15,000円

③60時間を超える時間外労働(50%割増)
1,000円×20時間×1.5=30,000円

合計賃金=62,500円+15,000円+30,000円=107,500円

割り増し賃金語呂合わせ

「ジカンと深夜はニコニコ笑顔、休日だけサンゴで豪華気分」
(ジカン=時間外、深夜=25%、休日=35%)

雇用者側よりも、労働者側を想像してもらうち覚えやすいと思います。

時間外と深夜残業で時給が25%増えて喜んでいる。休日は35%も増えてもっと喜んでいるイメージです

割増賃金に除外される賃金

労働基準法施行規則第21条で定められており、以下の7種類の手当て等に関しては、割増賃金の計算基礎額から除外されます。

  1. 家族手当
  2. 通勤手当
  3. 別居手当
  4. 子女教育手当
  5. 住宅手当
  6. 臨時に支払われた賃金
     (例:慶弔見舞金、一時金など)
  7. 1か月を超える期間ごとに支払われる賃金
     (例:賞与、年俸制のうち月払いでない部分など)

ちなみにこちらの覚え方は、それぞれの頭文字をとって「かつべし住宅リーチ」

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回は、労務管理に必要な情報の一つとして割増賃金についてまとめてみました。

残業や深夜労働で25%割増は把握していても、60hを超える場合や加算されるルールに関しては把握できていない方もいたのではないでしょうか。

パターンは少ないので、これを機に覚えてしまい、今後人に聞かれた際はドヤ顔で教えちゃいましょう!

また、この他の記事では36協定や年間休日に関してもまとめていますので、併せて読んでみてください。

【わかりやすく解説】36協定とは?残業させるなら必須!初心者向け導入マニュアル
【最新版】年間休日別・働き方5パターンと企業実態

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