前職で中小企業をサポートする中で聞かれた質問で、ハッとしたものがあります。
それが、「面接で聞いた方がいい質問と、ダメな質問ってありますか?」というものでした。
面接の機会が毎年定期的に訪れるわけではなく、中途採用がメインで、都度要所要所に必要な人材を採用することの多い中小企業では、必ずこれを聞いた方がいという質問が体系化されていないことが多いと思います。
また、採用の専門家ではく、社長や管理職が面接をすることが多い現場では、いい質問悪い質問の専門知識やその理由を把握されていないことも多いのではないでしょうか。
「やる気がありそうだから採用!」それも時には重要かとおもますが、働き手も少なく、かつ人を辞めさせることも難しい時代だからこそ、採用後のミスマッチやトラブルを防ぐために意図した面接の質問が重要になっています。
今回は、そんな質問に悩み企業のために、中小企業だからこそ面接で聞いた方がいい質問と、面接での聞くことがNGの質問をまとめていきます。
この内容を参考にして、ぜひ採用活動を成功させてください。
中小企業だからこそ聞きたい10の質問

- 面接時におすすめの質問内容
- 質問の意図
- うちの職場の雰囲気や規模について、どう思いますか?
- 事前に会社情報や雰囲気をしっかり調べているか(=志望度・準備度)
- 少人数・フラットな職場で人間関係を築くことに抵抗がないか
- 大企業志向ではなく、小規模組織の顔が見える環境を楽しめるタイプか
- 「何でもやる」必要性や自分で考えて動く風土を前向きに捉えているか
- 入社後のギャップ(思ってたのと違う)を防ぐため、本人の本音を引き出す
- 少人数の会社での経験やチームワークで意識してきたことは?
- 少人数ゆえのフォローし合う文化に適応できるか
- 自分の役割以外にも積極的に手伝った経験や意識があるか
- コミュニケーションの取り方やチームワークへの姿勢(報連相の徹底・助け合いの意識など)
- 個々の責任が大きい分、自分ごととして課題解決に動けるか
- 社内の雰囲気づくりや信頼関係を大切にしていたか
- 事務・現場・営業など複数業務を同時並行で行う場面がありますが、どう思いますか?
- 幅広い業務に前向きに取り組める柔軟性や適応力があるか
- マルチタスクや優先順位付け、効率的な進め方に自信や工夫があるか
- 変化やイレギュラーな対応にストレスなく順応できるか
- 自分の役割以外にも積極的に関わる姿勢があるか
- 仕事をチーム全体で回すという考え方を持っているか
- 複数の仕事を同時進行する現場特有の大変さや面白さを理解しているか
- 突発的な仕事や「今すぐ対応」が発生することについてどう感じますか?
- 突発的な依頼や変更へのストレス耐性や気持ちの切り替えができるか
- 臨機応変に自分で考えて優先順位をつけ、行動できる力があるか
- 「急ぎの仕事=悪」ではなく、チームや会社のためと前向きに考えられるか
- 忙しい時期やトラブル時に、周囲と連携しながら柔軟に対応できるか
- 「自分の仕事だけやればいい」という意識にとどまらず、会社全体の流れを意識できるか
- わが社の求人情報やホームページを見て「気になった点」や「疑問に思った点」は?
- 「企業研究」をどれだけ丁寧に行ってきたか(=入社への熱意・主体性)
- 求人情報や会社HPを客観的に読み、自分の言葉で質問や意見が言えるか(=コミュニケーション力)
- 細かい条件や会社の方針、実際の仕事内容など、疑問や不安を率直に確認できる姿勢があるか
- 「なんでも納得」という受け身型ではなく、入社前にギャップやミスマッチを減らす意識があるか
- 応募者独自の視点(着眼点)や、入社後の成長意欲、会社にどう関わりたいかのヒントになるか
- 「経営者や役員と距離が近い会社」についてどう思いますか?
- 経営者や役員との距離が近いことに対して、ポジティブに捉えられるか、それともプレッシャーや不安を感じるか
- フラットな人間関係や、「自分の意見や成果が経営判断に反映されやすい」環境を前向きに活かせるタイプか
- 経営層と現場の距離が近い分、「指示や評価がダイレクト」「役員と日常的に会話」「変化への対応が速い」ことにストレスを感じないか
- 逆に、細かく見られる・評価される・プライベートな話題が増えることを「息苦しい」と感じてしまうタイプではないか
- 経営層と距離が近いことを活かし、自己成長やキャリアアップにつなげたい意欲があるか
- 小規模ゆえの“成長スピード”や“自己裁量”について、どう感じますか?
- 「成長スピードの速さ」をどう受け止めるか
- 「自己裁量が大きい」ことを活かして成長したい意欲があるか
- 自分で判断・意思決定する場面が多いことへの適応力・ストレス耐性があるか
- 「失敗も含めて自分の経験値になる」ことにポジティブか
- 成長スピードや裁量の大きさを「チャンス」として活かしたいと思っているか
- 過去に一番苦労した経験と、それをどう乗り越えたか
- 困難に直面した際の「問題解決力」や「主体性」を見極めたい
- 苦しい状況での「ストレス耐性」や「精神的な粘り強さ」を知りたい
- トラブルや失敗を「どう受け止め、どう行動に移したか」を確認したい
- 過去の経験から「何を学び、どう成長したか」を把握したい
- 自分の弱みや課題も「客観的に振り返る自己認識力」があるか知りたい
- 他者の力を借りる柔軟さや、協調性があるかを見たい
- 困難をポジティブに語れる「前向きな姿勢」や「成長意欲」があるかをチェックしたい
- 入社後に「これだけはやりたい」「挑戦したいこと」は?
- 応募者の「主体性」や「自発的な意欲」を知りたい
- 入社後の「成長意欲」や「キャリアビジョン」を確認したい
- 会社の方向性や業務内容と「志望動機・希望が合致しているか」を見たい
- 自社で「どのような役割を担いたいか」具体的なイメージを持っているか把握したい
- 目標に向かう「計画性」や「チャレンジ精神」があるかを評価したい
- 自分の強み・経験をどう活かしたいと考えているかを確認したい
- 会社の成長に「貢献したい」という姿勢があるか見極めたい
- 当社の課題や弱みを見つけたら、どう提案・改善しますか?
- 応募者に「課題発見力」や「問題意識」があるか確認したい
- 現状に満足せず「改善提案」をする前向きな姿勢を見極めたい
- 提案や改善を行う際の「コミュニケーション力」や「説得力」を把握したい
- 他者の意見や組織の方針を尊重しつつ「協調性」を持って行動できるか知りたい
- 自分の考えを「具体的な行動」に落とし込める実行力を評価したい
- 会社をより良くしようとする「主体性」「成長志向」を確認したい
- ネガティブな意見も「建設的に伝える能力」があるかを見たい
面接でのNG質問7選

- 家族構成・結婚・出産・恋人・交際相手の有無
- 【例:「結婚の予定は?」「お子さんは?」】
→ プライバシーの侵害&差別の温床。法律上NG。
- 【例:「結婚の予定は?」「お子さんは?」】
- 宗教・信条・政治的思想
- 【例:「何宗ですか?」「どこの政党を支持していますか?」】
→ 思想信条の自由に抵触。絶対にNG。
- 【例:「何宗ですか?」「どこの政党を支持していますか?」】
- 本籍地・国籍・出身地
- 【例:「どこ出身?」「両親はどちらのご出身?」】
→ 採用差別防止の観点からNG。
- 【例:「どこ出身?」「両親はどちらのご出身?」】
- 健康状態・障害・持病・病歴の有無
- 【例:「持病は?」「体力に自信ある?」】
→ 合理的な配慮を除き、基本NG。
- 【例:「持病は?」「体力に自信ある?」】
- 生活状況や経済状況
- 【例:「家は持ち家ですか?」「親の職業は?」】
→ 本人の能力と無関係な質問はNG。
- 【例:「家は持ち家ですか?」「親の職業は?」】
- 労働組合への加入・加入歴
- → 思想信条の自由に抵触。
- 服装や容姿、髪型への個人的価値観のみの指摘
- 【例:「もっと女性らしく/男性らしくしたほうが」など】
→ セクハラやジェンダーハラスメントにつながる。
- 【例:「もっと女性らしく/男性らしくしたほうが」など】
まとめ
今回は中小企業だからこそ抑えておきたい、面接時の質問についてまとめていきました。
採用面接はあくまで入口です。しかし、「何をどう聞くか」によって、定着率・チームの雰囲気・会社の未来まで大きく変わります。
ぜひ本記事を参考に、「中小企業だからこそ問うべき質問」を準備し、会社と応募者の双方が納得できる面接を目指してください。
またこの他の記事では、自己評価が高い従業員との向き合い方や、面接成功の秘訣をまとめています、併せて参考にしてください。
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