「あれ?昨日ここに置いたはずの書類どこに行ったかな?」「あのファイル使いたいのに、〇〇さんが持っていっちゃったから見れないじゃん」「手書きで処理するからミスが怖いし、手が疲れた…」
これまで私が訪問してきた企業様で事務員の方を中心によくこんなお悩みを聞いてきました。しかし「ペーパーレス化」を図るだけでこれらのお悩みは一気に解決します。
このブログでは、これまで数百社の企業様をお伺いする中で感じたペーパーレス化による業務効率化のメリット5選と、スムーズなペーパーレス化のためのポイントを3つ紹介します。
どの情報も、従業員10名未満から50名ほどの幅広い中小企業の現場で上がってきた声になってますので、あなたの会社でも必ず役に立つはずです。ペーパーレス化に興味がある方や、紙での作業に疲弊している方はぜひ使ってみてください。
ペーパーレス化のメリット5選

ミスが圧倒的に少なくなる
ペーパレス化を勧めたい最大の理由はミスの削減です。
ペーパーレス化によってミスが圧倒的に少なくなる最大の理由は、「ヒューマンエラーが起こりやすい手作業が大幅に減るから」です。
もしかすると何度も経験されてる方もいらっしゃるかもしれませんが、紙の書類では「記入漏れ」「転記ミス」「ダブルチェック漏れ」「提出忘れ」「そもそも書類自体を紛失してしまう」など、さまざまなミスが発生しがちです。
また、手書きだと「字が読みにくい」「日付や数値の書き間違い」といったトラブルも日常茶飯事かと思います。
実際事務を担当される奥様とお話をしたい際に、手書きで作業しているが大事な書類にミスがないかと毎回ヒヤヒヤしているとのお声をよくお聞きしました。
これらのリスクを減らすにはペーパーレス化が最適です。
無駄な時間の削減
ペーパーレス化が無駄な時間の削減につながる最大の理由は、「紙の取り扱いにかかる様々な手間が、デジタル化によって一気に省略できる」からです。
紙で業務をしていると、例えば「印刷する」「ファイルに綴じる」「キャビネットに保管する」「必要なときに探し出す」「複数人で回覧する」「手書き内容をパソコンに再入力する」など、業務のたびに細かな“作業”が発生しますよね。
こうした作業は一つ一つは短時間でも、当然積み重なると膨大な時間ロスとなります。
一方で、ペーパーレス化を実現すると、書類作成・管理・共有のほとんどがPCやスマホで完結します。
探したい書類があったときも「キーワード入力」だけで即座に目的のデータが見つかり、複数人で同時に閲覧することや編集することも簡単です。
また、必要な書類のコピーや配布、印刷の待ち時間、承認のための回覧などもすべてオンラインでできるため、物理的な移動や手間も激減させることができます。
いつでもどこでも仕事が進められる
ペーパーレス化が実現すると、書類や資料がすべてデジタルデータとしてクラウドやパソコン、スマホ上に保存されるため、「いつでもどこでも仕事ができる」環境が整います。
これまでの紙中心の業務では、必要な書類がオフィスのキャビネットやデスクの中にしかないので、「出張先で資料が必要になった」「出先で提出書類の不足に気づいた」といった時に何もなすすべがない、結局事務所に戻る羽目になり時間が余分にかかったという経験談をよくお聞きしました。
万が一、必要な紙書類を持ち出し忘れると、その日の仕事が何も進まないということも珍しくないですよね。
しかしペーパーレス化が進むと、必要な書類はクラウドや共有サーバーに保存されるので、社内外問わずインターネット環境さえあれば、パソコンはもちろんスマートフォンやタブレットでもすぐにアクセスが可能になります。
これにより、急な外出や出張時も、クライアント先で即座にデータを提示したり、その場で書類作成や承認、修正を行うことができるようになります。
情報共有・業務引き継ぎがスムーズにできる
ペーパーレス化によって情報共有や業務引き継ぎがスムーズにできる最大の理由は、すべての情報がデータ化され、場所や担当者を問わずアクセスできるようになるからです。
私もこれまでお伺いしてきた中で、事務担当者の急な退職で属人化していた事務作業が全く回らなくなったというお悩みを何度もお聞きしてきました。
紙の書類管理では、「どこに何があるか分からない」「担当者しか保管場所を知らない」「必要な資料が1部しかなく同時に見られない」など、情報の属人化や物理的な制約が発生しやすく、引き継ぎや共有の際にミスや伝達漏れが起きがちです。
一方、ペーパーレス化により、書類や手順書・顧客情報などをクラウド上に集約することで、権限さえあれば誰でもすぐに同じデータにアクセスが可能になります。
業務マニュアルや取引履歴、進捗情報もリアルタイムで更新・共有されるので、「言った・言わない」や「古い情報を参照してしまう」などのリスクも減らすことができます。
さらに、デジタルデータなら検索やフィルタ機能が使えるので、過去のやり取りや必要な資料もすぐに見つかり、引き継ぎ作業の負担が大幅に軽減されます。
保管スペースとコストの削減
ペーパーレス化によって保管スペースとコストが削減できる最大の理由は、「紙の書類を物理的に保管する必要がなくなる」からです。
業務を続けていると、契約書や伝票、請求書、報告書など紙資料がどんどん増えていきます。
その結果、書庫やキャビネット、ロッカーなど専用の保管場所が必要となり、オフィスのスペースを大きく圧迫します。限られたオフィスの中で、書類の山に囲まれて仕事をすることは、作業効率が下がりますし、追加の収納家具を購入するなど無駄な出費にもつながります。それに、精神衛生上も良くないですよね。
また、長期保存が義務付けられている帳簿や領収書などは「捨てたくても捨てられない」ため、年々保管スペースを圧迫しているかと思います。
ペーパーレス化を進めて書類をデータで管理すると、こうした物理的な保管場所がほとんど不要となるのでその分オフィスを有効活用できます。
さらに、コピー用紙・インク・ファイル・バインダー・封筒などの備品費や、郵送・印刷コストも大きく減少します。これらも当然経費です。
ペーパーレス化は、保管スペースとコストの両方を“目に見える形”で圧縮できる、中小企業にとって非常に現実的で効果的な施策です。
ペーパーレス化のポイント3つ

無理に全てをペーパーレス化しない
ペーパーレス化を進める場合「無理にすべての業務・書類をペーパーレス化しないこと」がこれがすごく重要です。
現場の実情や業務ごとの特性、法律上の制約を無視して一律に進めると、かえって混乱や非効率を招くことがあるからです。役所や取引先に提出する契約書や請求書などは、まだ紙の原本提出が必須だったり、押印が求められる場合があるかと思います。
また、保存義務期間が定められている一部の書類は、紙での原本保存が法律で求められることもありますよね。
さらに、ベテランの従業員やITに不慣れな人が多い職場では、いきなり完全なデジタル移行を強行すると、業務が停滞したり、返って誤操作によるミスやトラブルが増える恐れがあります。
ペーパーレス化を勧めてはいますが、現場では「この業務はデジタルのほうが楽」「これは紙のほうが早い・安心できる」といったケースが混在しているのは当然です。
ペーパーレス化を進める際は、業務ごとに“紙とデジタルの最適な使い分け”を考え、無理なく現場が受け入れられるスピードで導入することが定着と成功のカギになります。
全員が使える仕組みを学ぶこと
ペーパーレス化を成功させる上で「全員が使える仕組みを学ぶこと」がポイントの理由は、どんなに優れたデジタルツールを導入しても、実際にそれを使う従業員全員が“使いこなせなければ”現場で定着せず、かえって業務効率が下がるリスクがあるからです。
世代によるITスキルの差は大きく、デジタル化に苦手意識を持つ社員も少なくないと思います。「便利そうだけど操作が分からない」「どのボタンを押したらいいか不安」「教えてくれる人がいないから放置してしまう」など、私もこれまで何度も聞いたお悩みですが、突然のシステム化による現場の戸惑いは思った以上に多いものです。
この状態で「今日から紙は禁止、全部デジタルで!」と進めると、操作ミスや混乱、情報の入力漏れなど、余計なトラブルが増えてしまいます。
だからこそ、ペーパーレス化を定着させるには「全員が最低限の操作方法を学び、同じルール・手順で仕事ができる」ことが不可欠です。
そのためには、実際の画面を見せながらの説明会や、簡単な操作マニュアルの用意、分からない時にすぐ質問できるフォロー体制など、社内の“学び”を支える仕組み作りもセットで考える必要があります
いきなりコストをかけすぎない
ペーパーレス化を進める際に「いきなりコストをかけすぎないこと」も非常に重要です。
デジタル化に慣れていない現場で高額なシステムやサービスを導入しても、うまく活用されず“投資が無駄になってしまう”リスクは非常に高いです。
特に中小企業では、社内の業務フローや社員のITリテラシーにバラつきがあるため、最初から大規模な有料サービスや高額なシステムを導入しても、現場で混乱が生じたり、十分な効果を感じられないまま使わなくなってしまうケースが少なくありません。
このため、ペーパーレス化は「無料から」始めるのがおすすめです。Googleドライブやスプレッドシート、Dropbox、PDF管理など、無料から使えるクラウドサービスは多く存在し、まずは手間やコストをかけずに「紙を減らす」「データで管理する」感覚を現場に根付かせることができます。
実際に現場で“便利さ”や“時短効果”を実感できれば、徐々に有料の便利機能や本格的なシステムへの投資も前向きに検討できるようになると思います。
このように、まずは無料から・小さく始めて、必要に応じて徐々にコストをかけていくことで、無駄な投資や現場の混乱を防ぎながら、失敗しないペーパーレス化を実現しましょう。
まとめ
今回はペーパレス化のメリット5選と、実現のために必要なポイントを3つに絞ってお伝えしました。
企業経営の大きな目的の一つは売上利益を上げることだと思います。
売上に直結する本業により注力するためにも、減らせる業務負担はどんどん削減していきましょう。
何から始めたりいかわからない、どのツールを使うといいかわからないという人はこの記事も同時に読んでみてください。
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